福ちゃんが癌宣告を受けた

昨日、猫の福ちゃんを両親が病院に連れて行ったそうで、上顎に腫瘍があると言われたらしい。

去年の暮れ、鼻水と涙があまりにも酷かった為お医者さんにかかり、歯根嚢瘍だということで、上の歯を一本抜いてもらった。それからは見違えるほど良くなり、歯を抜いた当日から、嬉しそうに、元気いっぱいにご飯を食べていたりもした。

ただ、その一週間後くらいに弟から連絡があり、「福ちゃんが口から血を出している。口が痛そうにしているし、左目がおかしい」と連絡があった。その時僕は、カリカリが傷口に刺さって出血してしまったのだろう程度にしか考えておらず、すぐに良くなるだろうと思っていた。

でも、僕のその考えは間違っていた。

お正月も実家に帰らず、今日久々に帰ったんだけど、福ちゃんは元気だったかと両親に尋ねたところ、「あまり元気ではない。ずっと様子がおかしいから昨日病院に連れて行ったら、癌だと言われた。」との返答が。レントゲンを撮ってもらったところ、顎の骨が溶けており、膿もかなり溜まってしまっているとのこと。おまけに、腫瘍が出来ている部分に無数の黒い点々が写っていたそう。つまり、悪性腫瘍。鼻水や涙が垂れ流しになっていたのは、これが原因だったのだろう。最初に言われた歯根嚢瘍ではなかったんだろうな。

「癌と言われた」と聞いた時、僕は意外にも冷静だった。去年の暮れに福ちゃんを病院に連れて行く前、猫の病気について色々調べていた時に「もしかしたら癌かもしれない」というのは、頭の片隅に浮かんでいたからかも。「あぁ、やっぱり…」というのが正直な感想。そうだよね、高齢だしね…

でも、時間が経つに連れ

僕の大好きな福ちゃんが癌に侵されてしまった。もうおそらく、余生も残り僅かだろう。あと何回会えるかな。あと何回一緒に寝られるだろう。もう昔みたいに僕のベッドに入って来て、腕の中で丸くなって、喉をゴロゴロ鳴らしながら、幸せそうに眠っているあの愛おしい姿を見ることは出来ないんだろうな。

とか考え出したら、涙が止まらなくなってしまった。もう27にもなるのに、嗚咽まで漏らして。

今日の福ちゃんは、元気だった。顔の左側が歪んでるのは、歯を抜いたのと、腫瘍のせい。

昨日注射をして貰ったから、その効果なのかな。日中はずっとクローゼットの奥で寝ていたけど、帰り際にベッドで一緒に遊べた。僕の腕に、頭を乗せて喉をゴロゴロと鳴らしてた。僕は福ちゃんを腕の中に納め、覆いかぶさって一緒に寝ている時が何より一番幸せ。昔から。

手術すれば取れないこともないのだろうけど、顔面の大部分を失ってしまうこと、自力でご飯を食べられなくなってしまうこと、手術自体にも大きなリスクがあること等を考えると、手術をお願いする気には到底なれない。

僕も辛いけど、福ちゃんはそれ以上に苦しくて、痛くて、不安な思いをしているんだろうな。でも猫は喋らないから、それを僕らに訴えることも出来ない。可哀想だな。代わってあげたい。

とりあえず、今日は帰る。そして、また来週来る。気持ちの整理をしなきゃ。僕は明日からまた会社に行って仕事をしなければならない。仕事なんか、してる場合じゃ無いんだけどね。こんな時なのに、大好きな福ちゃんの側にいられず、大嫌いな職場で毎日を過ごしていかなければならないなんて…

いつかは来てしまうことだから、こればかりはしょうがない。自然の摂理には逆らえないから…
だけど耐えられるかな。僕はハートが弱いから…
でも、福ちゃんも頑張ってるんだし、僕も頑張らなくちゃ。

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